VINTAGE PURVIANCE TROMBONE MOUTHPIECE
Purvianceのマウスピース を手に入れました
学生時代に持っていましたが、楽器と一緒に売ってしまいました。
当時持っていたのは「4⭐︎D4」でしたが、今回手に入れたのは「4⭐︎3」。残念ながらオリジナルのものはもう手に入らないのかな。
「4⭐︎D4」を選んだのは当時ニューハードのTrumpet Section が「4⭐︎D4」で揃えていたと本人に聞いたからで、特に意味はないです。
https://www.brasshistory.net/Purviance%20History.pdf
まずは、見た目の感想ですが
ある日ヤフオクで PURVIANCE を見つけた。JUNK 品ということで競合が少なかったが、適正価格と思われる価格で入札し睡眠。朝起きたら落札してた。かなり状態が悪かったので、価格も上がらなかったと見えた。よかった。到着して観察したら状態は悪い。メッキは Silver ではなくニッケルらしい。ということは初期の作品に違いなさそうである。Bach の NewYork や Mt.Vernon の初期作品、 William Tottle 、Giardinelli も当初はニッケルメッキである。どれも60年代〜70年代初期くらいと思われる。
まず、その浅さにびっくりします。まるで球体でグリグリと削ったような感じで、Suckbutのマウスピースと同感覚ですが、見事な「Cカップ」でエッジがとても鋭い。
ところで、音が出ないんです
アンブッシャーを変更したいと考えていた。子供の頃真ん中で吹いていたが、先生に「唇の横に当ててピヤーッと吹きなさい」と言われ変更しました。言われる通りうまくいったのですが、何年かすると上唇の内側が柔らかかったせいか、穴が空きそこはまるで怪我をしたかたちでした。音を出すと痛いのでしばらく(数年か)音を出さずにいたら、傷口が収縮してタコのようになりブスリとも振動しなくなった。ロートーンは大丈夫だが、中間からハイトーンはまるでひっくり返ったような始末。
そんな時、アンブッシャーについて調べてみたら、米式とヨーロッパ式があることがわかった。これまで私は上唇が多く、下唇が少ないという当て方でヨーロッパ式だったらしいとわかった。試しに米式を試みたが、全く話にならないというか、慣れるのにとんでもなく時間がかかりそうだったので、米式は断念した。
ヨーロッパ式のまま少し真ん中に寄せる工夫をしてみた。ところが、そのままでは上唇のかなり奥の方を震わせる必要があることがわかった。しかもここも鳴らない。しかたがない。頑張るしかない。なんとかしようとこれまで持っていたマウスピースを取っ替え引っ替え試してみたが全くダメ。途中まではゆくがまるでプスプス、ブリブリと音にならない。でもやるしかない。 Rouis Maggio が湖でやってきたことと同じかもしれないと思うと心強かった。しかし、こんな状態が続くとしたら、Maggio はよくまともな音が出ると確信できたものだと真剣に感心した。さらに5オクターブ出せると思えたものだと感心した。私の場合はもう何度もトロンボーン捨ててやろうと思ったくらいだ。自分はとても小さい人間だと思い知った。とても苦しい半年。と、やっと音が出ました。やはり、鳴らない内側の部分を震わせるというのが正解のようでした。
さて、使ってみた感想ですが
メチャメチャ明るい音です。というよりもマウスピースに対する唇の当て方、ようはアンブッシャーということになるんでしょうね。この際上唇がマウスピースリム内のほとんどを覆い下唇はほとんど中に入っていません。こんなことは初めてです。どんな音域も自由自在というわけではありませんが、少し慣れれば問題なく自由になりそうです。もちろん最初から5オクターブが出ていますので、音域の問題は全くなしです。スケールもできますので、問題はカスれたり外したりせず、自由に全音域を行き来できればOK。
よくリップリード楽器(トランペット、トロンボーン、ホルン等)のアンブッシャーはオーボエなどのダブルリードに例えられることが多いのですが、私の場合はシングルリードのサックスみたいだと思っていただければいいかも。ということで、PURVIANCE 素晴らしい。全く新しい世界が広がった気がします。JOY BRASS で取り扱っているらしいので、一度お試しあれ。
追記
以前、後輩のトランペット吹きが Eric M 氏からマウスピースをいただいたと見せてくれた。そのマウスピースはなんとぺったんこで、これでどうやって音を出したらいいのかと尋ねられた。これでハイノートの練習をしろというのだろうか、その時は全く意味がわからなかった。現在それを想像するに、PURVIANCE と同じ考えをすれば上唇全体をリムの内側に入れ、下唇はそこに添えるだけみたいな使い方であろうと。
残念ながらトランペットの後輩は糖尿病で亡くなってしまったので、そのことを伝えることもできないし、確認もできない。残念です。きっと彼も5オクターブの音域が使いこなせるようになっただろうに。
以前にも述べていますが、カップは浅い方がペダルトーンを使いやすく、スロートが太い方がハイノートを使いやすいと考えている。ただ、この PURVIANCE はスロートは Bach の標準と同じなのにハイノートは使いやすい。ちょっと元々の考えが揺らぎます。
手持ちのマウスピースと比較してみる
左から Marcinkiewicz ET4 真ん中 NewYork(Bronx) Bach 12C 右 PURVIANCE 4⭐︎3
ET4 は NewYork Bach 12C のコピーと言われていますが、内径もスロートもワイドです。カップ形状は非常によく再現されているとおもいます。エッジはやや丸い。
12C はオリジナルです。すべての基本がここにあります。エッジはかなり鋭角で慣れないと痛いくらいです。 4⭐︎3 の方がもっときついかも。Bach は Mt.Vernon → Elk Hert と徐々に丸みを帯びてきます。
カップの深さは左から深い順です。 4⭐︎3 はかなり浅いです。音色は左から徐々に明るくなる。
左から NewYork(Bronx) Bach 12 真ん中 Bach 7C Megatone 右 PURVIANCE 4⭐︎3
Bach 12 は Bach 社内基準となるマウスピースのようで、可もなく不可もなくという無難な作品です。ただペダルトーンが出にくい感じです。やはりエッジは鋭い。
Megatone はカップの形状が 12C と比較すると C というよりすこしなだらかで、U カップに近い感じ。影響は音域によって振動させる位置が変わってくる。このあたりが 4⭐︎3 と大きく異なる。一方 4⭐︎3 の方は振動させる位置がほぼ同じなので、扱いやすさはこちらに軍配が上がる。ただ、重量はよく似ています。
他に、唇を振動させる位置がほぼ変えずに各音域が出せるマウスピースに NewYork Bach S があります。これについてはいずれまた詳しく見てみたい。
再生産品は下記らしい。
https://trumpetmouthpiece.com/products/vintage-purviance-trombone-mouthpiece
名工キャロル・パーヴィアンスのオリジナル工具を使用したハンドメイドのトロンボーンマウスピースです。パーヴィアンス社オリジナルのアウトサイドシェイプのテナートロンボーン用ワンピースマウスピースとして、スモールシャンクでご提供されています。
4*1、4*3は元々映画撮影用に設計されたものですが、ラジオ、ダンス、演劇、コンサートバンドなどでも同様に人気があります。
5*1と5*3は、交響曲の演奏や、充実した音質が要求される作品に最適です。
Particular Performers Prefer Purviance Precision Products!
学生時代に持っていましたが、楽器と一緒に売ってしまいました。
当時持っていたのは「4⭐︎D4」でしたが、今回手に入れたのは「4⭐︎3」。残念ながらオリジナルのものはもう手に入らないのかな。
「4⭐︎D4」を選んだのは当時ニューハードのTrumpet Section が「4⭐︎D4」で揃えていたと本人に聞いたからで、特に意味はないです。
https://www.brasshistory.net/Purviance%20History.pdf
まずは、見た目の感想ですが
ある日ヤフオクで PURVIANCE を見つけた。JUNK 品ということで競合が少なかったが、適正価格と思われる価格で入札し睡眠。朝起きたら落札してた。かなり状態が悪かったので、価格も上がらなかったと見えた。よかった。到着して観察したら状態は悪い。メッキは Silver ではなくニッケルらしい。ということは初期の作品に違いなさそうである。Bach の NewYork や Mt.Vernon の初期作品、 William Tottle 、Giardinelli も当初はニッケルメッキである。どれも60年代〜70年代初期くらいと思われる。
まず、その浅さにびっくりします。まるで球体でグリグリと削ったような感じで、Suckbutのマウスピースと同感覚ですが、見事な「Cカップ」でエッジがとても鋭い。
ところで、音が出ないんです
アンブッシャーを変更したいと考えていた。子供の頃真ん中で吹いていたが、先生に「唇の横に当ててピヤーッと吹きなさい」と言われ変更しました。言われる通りうまくいったのですが、何年かすると上唇の内側が柔らかかったせいか、穴が空きそこはまるで怪我をしたかたちでした。音を出すと痛いのでしばらく(数年か)音を出さずにいたら、傷口が収縮してタコのようになりブスリとも振動しなくなった。ロートーンは大丈夫だが、中間からハイトーンはまるでひっくり返ったような始末。
そんな時、アンブッシャーについて調べてみたら、米式とヨーロッパ式があることがわかった。これまで私は上唇が多く、下唇が少ないという当て方でヨーロッパ式だったらしいとわかった。試しに米式を試みたが、全く話にならないというか、慣れるのにとんでもなく時間がかかりそうだったので、米式は断念した。
ヨーロッパ式のまま少し真ん中に寄せる工夫をしてみた。ところが、そのままでは上唇のかなり奥の方を震わせる必要があることがわかった。しかもここも鳴らない。しかたがない。頑張るしかない。なんとかしようとこれまで持っていたマウスピースを取っ替え引っ替え試してみたが全くダメ。途中まではゆくがまるでプスプス、ブリブリと音にならない。でもやるしかない。 Rouis Maggio が湖でやってきたことと同じかもしれないと思うと心強かった。しかし、こんな状態が続くとしたら、Maggio はよくまともな音が出ると確信できたものだと真剣に感心した。さらに5オクターブ出せると思えたものだと感心した。私の場合はもう何度もトロンボーン捨ててやろうと思ったくらいだ。自分はとても小さい人間だと思い知った。とても苦しい半年。と、やっと音が出ました。やはり、鳴らない内側の部分を震わせるというのが正解のようでした。
さて、使ってみた感想ですが
メチャメチャ明るい音です。というよりもマウスピースに対する唇の当て方、ようはアンブッシャーということになるんでしょうね。この際上唇がマウスピースリム内のほとんどを覆い下唇はほとんど中に入っていません。こんなことは初めてです。どんな音域も自由自在というわけではありませんが、少し慣れれば問題なく自由になりそうです。もちろん最初から5オクターブが出ていますので、音域の問題は全くなしです。スケールもできますので、問題はカスれたり外したりせず、自由に全音域を行き来できればOK。
よくリップリード楽器(トランペット、トロンボーン、ホルン等)のアンブッシャーはオーボエなどのダブルリードに例えられることが多いのですが、私の場合はシングルリードのサックスみたいだと思っていただければいいかも。ということで、PURVIANCE 素晴らしい。全く新しい世界が広がった気がします。JOY BRASS で取り扱っているらしいので、一度お試しあれ。
追記
以前、後輩のトランペット吹きが Eric M 氏からマウスピースをいただいたと見せてくれた。そのマウスピースはなんとぺったんこで、これでどうやって音を出したらいいのかと尋ねられた。これでハイノートの練習をしろというのだろうか、その時は全く意味がわからなかった。現在それを想像するに、PURVIANCE と同じ考えをすれば上唇全体をリムの内側に入れ、下唇はそこに添えるだけみたいな使い方であろうと。
残念ながらトランペットの後輩は糖尿病で亡くなってしまったので、そのことを伝えることもできないし、確認もできない。残念です。きっと彼も5オクターブの音域が使いこなせるようになっただろうに。
以前にも述べていますが、カップは浅い方がペダルトーンを使いやすく、スロートが太い方がハイノートを使いやすいと考えている。ただ、この PURVIANCE はスロートは Bach の標準と同じなのにハイノートは使いやすい。ちょっと元々の考えが揺らぎます。
手持ちのマウスピースと比較してみる
左から Marcinkiewicz ET4 真ん中 NewYork(Bronx) Bach 12C 右 PURVIANCE 4⭐︎3
ET4 は NewYork Bach 12C のコピーと言われていますが、内径もスロートもワイドです。カップ形状は非常によく再現されているとおもいます。エッジはやや丸い。
12C はオリジナルです。すべての基本がここにあります。エッジはかなり鋭角で慣れないと痛いくらいです。 4⭐︎3 の方がもっときついかも。Bach は Mt.Vernon → Elk Hert と徐々に丸みを帯びてきます。
カップの深さは左から深い順です。 4⭐︎3 はかなり浅いです。音色は左から徐々に明るくなる。
左から NewYork(Bronx) Bach 12 真ん中 Bach 7C Megatone 右 PURVIANCE 4⭐︎3
Bach 12 は Bach 社内基準となるマウスピースのようで、可もなく不可もなくという無難な作品です。ただペダルトーンが出にくい感じです。やはりエッジは鋭い。
Megatone はカップの形状が 12C と比較すると C というよりすこしなだらかで、U カップに近い感じ。影響は音域によって振動させる位置が変わってくる。このあたりが 4⭐︎3 と大きく異なる。一方 4⭐︎3 の方は振動させる位置がほぼ同じなので、扱いやすさはこちらに軍配が上がる。ただ、重量はよく似ています。
他に、唇を振動させる位置がほぼ変えずに各音域が出せるマウスピースに NewYork Bach S があります。これについてはいずれまた詳しく見てみたい。
再生産品は下記らしい。
https://trumpetmouthpiece.com/products/vintage-purviance-trombone-mouthpiece
名工キャロル・パーヴィアンスのオリジナル工具を使用したハンドメイドのトロンボーンマウスピースです。パーヴィアンス社オリジナルのアウトサイドシェイプのテナートロンボーン用ワンピースマウスピースとして、スモールシャンクでご提供されています。
4*1、4*3は元々映画撮影用に設計されたものですが、ラジオ、ダンス、演劇、コンサートバンドなどでも同様に人気があります。
5*1と5*3は、交響曲の演奏や、充実した音質が要求される作品に最適です。
Handcrafted trombone mouthpieces from the original tooling of master craftsman, Carroll Purviance. Available as a one-piece mouthpiece on the original Purviance outside shape for tenor trombone with small shank.
The 4*1 and 4*3 were originally designed for motion picture recording, and were equally popular for radio, dance, theater, and concert band work.
The 5*1 and 5*3 are ideal for symphony playing or any other work where a full, sonorous tone quality is required.
Purviance Trombone Mouthpiece Dimensions
Model | Rim Inner Diameter | Rim Width/Contour | Cup Depth | Bore |
4*1 |
63/64", .984", 25mm | Medium/firm bite | Medium | 1 |
5*1 |
63/64", .984", 25mm | Medium/firm bite | Deep | D |
4*3 |
63/64", .984", 25mm | Medium/slightly rounded | Medium | 1 |
5*3 |
63/64", .984", 25mm | Medium/slightly rounded | Deep | D |
Particular Performers Prefer Purviance Precision Products!
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