カムカムエブリバディ(NHK朝ドラ)ホントのアニー安川

カムカムエブリバディ 毎日NHKの朝ドラを見てしまった。予測のつかない展開・・・つまり本がないのでネタバレしないのだろう。


毎日見ていて
アニー安川のストーリに不満だったので・・・・・ちょっとした妄想を書いてみた。


ルイを残し、ロバートと共に米国に渡った安子。ロバートはUniversity of Washingtonに日本語学の助教授として迎えられることが決まっていた。到着初日は大学の近くのHOTELだった。

ロバートは米国で勝手のわからない安子をレストランに連れてゆきなんでも注文しなさいというが、メニューを見ても訳がわからなかった。ロバートの勧めるままシチューを食べた。今まで食べたことのない味。 すっかり感激した夕食は終わった。HOTELの部屋に戻るとロバートはお風呂の入り方を教えた。シャワーだった。上がるとさりげなく口づけをし、安子を抱えベッドに。安子は何年も忘れていたあの感覚が蘇った。ロバートはやさしく、そして強かった。

それから程なく二人は結婚し職員住宅に入った。安子もロバートと共に何不自由ない暮らし。やがてアニーが生まれる。安子は身も心も幸せだった。

ところが、そんな日々も長くは続かなかった。ある日、ロバートは通勤途中で交通事故に巻き込まれ亡くなってしまう。知らせを受けた安子は目の前が真っ暗になる。悲しみを分かち合う人はここにはいない。

二度の不幸に見舞われる安子。
アニーをどうしよう。ここも出てゆかなければならない。

そんな折、ロバートの両親はアニーを引き取りたいと再三の申し出。断ってはいたが、今回はもう観念するしかないのか。アニーを手放さねばならないのか。安子の脳裏にふいに、ルイの面影が浮かぶ。過去に手放したことに言われようもない後悔の念をもつ安子はアニーを手放すまい。そう思った時、ルイが幼かった頃貧しかったが、おはぎの行商をしながら一緒に暮らせ幸せだったこと、兄算太と一緒にお店も持てそうだったことを思いだした。
安子は屋台で行商を始めようと決心し、鍋やあずきを探し始めた。

ある日、ロバートの友人で基地に勤めるウイリアムから仕事のオファーをもらった。捕虜となって米国に渡ってきた日本兵の帰国事業の手伝いをしないかと。毎日ではないので収入は多くないが、安子はその仕事でこじんまりした宿舎をあてがわれ、アニーと二人なんとか雨露をしのぐことができた。ウイリアムさんには足を向けては寝られないね、そうアニーに言った。

安子は基地の仕事がない日はいつもあんこを煮ていた。

小豆の声を聞け、時計に頼るな、目を離すな、何をしてほしいか小豆が教えてくれる。
食べる人の幸せそうな顔を思い浮かべぇ。
おいしゅうなれ。おいしゅうなれ。おいしゅうなれ。
その気持ちが小豆に乗り移る。
うんとおいしゅうなってくれる。
甘ぇあんこができあがる。

アニーと二人そうやって毎日あんこを作った。売り歩いた。ルイの時と同じに。ただ戦後すぐは日本人には風あたりの強い時代だった。思ったようには売れないし、追われることも度々だった。

アニーはもう小学生になっていた。数年続いたその帰国事業も今年あと二回で終わりになると告げられる。

そして捕虜の帰国事業も次で最後という日に、ウイリアムから一人の日本兵のことを聞かされた。彼の調べでは乗っていた船が沈没したらしく、気を失って一人海に浮いているところを駆逐艦に助けられ捕虜となった。怪我から回復した彼は記憶喪失だったが、英語が話せたので、駆逐艦で雑用をやっていたらしい。その日本兵は基地の兵舎で生活していた。仕事といっても毎日捕虜のトイレ掃除や洗濯物ベッドメイクなど、米兵も捕虜たちもやりたがらない雑用係でした。

ウイリアムは君たちなら日本人同士だし話していれば、彼も何か思い出すだろう。もし思い出したら是非故郷に帰してあげたいと相談され、近々会うことになった。

今日はその日本兵と会う日でした。ウイリアムと安子とアニーの三人が面会ルームに腰掛けて待っていると、その彼がやってきた。近づいてきたので安子は挨拶をと、立ち上がる。

その瞬間、安子の頭の中は真っ白になり、体は金縛りにあったように動けなかった。

やっと出た一言は「みっ・・」、

「稔さん !!!」

安子は叫んだ。

そして、話し出そうとしたが、英語も日本語も混ぜこぜで、内容は全く支離滅裂。

アニーは怖がり泣き出す。

気持ちばかりが走って、会話にならない。稔は何が起こったのかわからず、きょとんとしている。

ウイリアムにも大丈夫かと諭された安子は、しばらくして冷静さを取り戻し、日本語で稔に話しかける。稔は日本語を忘れてしまっていた。もちろん安子のことも。

安子は切り出す。

「あなたは雉間稔」

「What?
Kijima Minoru ?」

「はい」

気を取り直し、持ってきたおはぎを食べさせる。

「これ、稔さんと初めてあった日にうちのお店で買っていったものよ。」

出会ったときのことを話しだす安子。
進められるままに、不思議そうに食べる稔。

「It tastes good.」

戦死したとばかり思っていた稔は生きていた。安子は有頂天だった。
ウイリアムはこの奇跡に大喜び。二人を応援することを約束してくれた。

安子は毎回アニーと稔に面会に行き、日本語を思い出させることと、記憶の回復に手を尽くした。ウイリアムの尽力で帰国事業が終わった後もハーバーアイランドの造船所で短期間だが仕事を世話してもらえることになった。やがて稔は記憶はないが、安子の話を徐々に理解し始めていた。そして安子のアパートに引っ越してきた。

結婚していたとはいえほんの一月足らず。ぎこちなかった。ベッドに入った稔はふるえていた。安子は稔の顔を手でそっと覆い胸に埋め、雉間の家での出来事を思い浮かべていた。稔の手は安子のお腹から下がっていった。安子は安堵に浸った。


稔はアニーを可愛いがり安子にも優しかった。やっとのことでほっとできる一家団欒を満喫する安子。幸せだった。

日本人にとって路上での商売は苦しい時代だった。しかし、ジャパニーズスイーツの行商もなんとか日系の人たちの目に留まり、少しづつだがお客さんが増えていった。おかげで探していたアパートにも期限前に移ることができ、親子三人細々ながら生活もなんとかなった。稔の記憶はまだ戻っていない

造船所の仕事が休みだった稔は安子と一緒に屋台で街を行商していると、そこにサニーサイドが聞こえてくる。それはディジー・ガレスピーの演奏だった。

稔は笑顔になり

「あ、この曲知ってるよ。でもぉ、ちょっと違う??」

「えっっ!! 稔さん!」

安子はわっと泣き出した。嬉しかった。
稔にしがみついた。

思い出の曲を聞き稔の記憶も蘇ったのか。その日思い出のレコードと蓄音器を探し、買った。アパートに帰って稔と何度も、そして何度も聞いた。

稔に話しかける。岡山の二人の思い出。

一緒に口ずさんだ On the sunny side of the street ルイアームストロング。
ディッパーマウス・ブルースで初めて飲んだあのにがいコーヒーの味。
定一さんの吸う葉巻の匂い
一緒にお参りした神社

安子は娘に戻ったかのようにすっかりはしゃいでいた。稔はそんな安子が愛おしかった。

その後、稔の手助けもあり、ジャパニーズスイーツ・ショップを持つことができた。
今の二人にとって、もう過去はどうでも良かった。

稔と安子は忙しさもあり、振り返ることなく前に進んだ。気がつくとお互い新しい関係を築いていた。

そのお店は「Japanese Sweets TACHIBANA」と名付けられ、やがてチェーン店となってゆくのでした。なんと日本にもお店が・・・

さて、
大きくなったアニーは亡き父ロバートの勤めていた大学への進学を希望し、なんとか入学できた。専攻は米国大学でもめづらしいジャーナリズムとメディア研究で、本人もずいぶんと頑張った。やがて卒業というところでロバートの旧友でもある担当教授のパトリックからハリウッドの仕事を紹介されロサンゼルスに勤務することとなった。仕事は俳優のスケジューリングなど雑多な業務を任されていた。そこで知り合った芸能プロダクションを経営するハワイ出身の日系二世ヒロ安川と知り合い、結婚することに。アニーは夫の会社に転職し、夫と共に映画会社に役者を売り込む仕事をすることになった。

アニーは時々プロデューサーのような仕事もしていた。いくつか映画が認められると、少しづつだが米国の映画界で名が知られ始めてきた。アニーは時折映画会社に映画の企画を持ち込んでいた。最近「侍ベースボール」というシナリオを映画会社に提案していた。これはみごと採用となり、スポンサーもついた。映画会社は日系人のアニーに日本人の俳優を発掘させるため、キャスティング・ディレクターに抜擢し、主だったスタッフと共に日本へ行くことを提案した。もちろんアニーは大喜び。自分のルーツの半分である日本はどうしても行ってみたかった憧れの国。

アニーはシアトルに住む安子に電話。

「今度ね、日本へゆくことになったよ。企画が映画になるのよ。」

「おめでとう、よかったね、おめでとう。岸子は連れてゆくの?」

岸子は安川との子供。今はハイスクールに通っている。

しかし安子は喜びとは裏腹に急に切なさと悲しさとが共にこみあげてきた。そう、ルイの顔が浮かんだ。ルイを思うと複雑だった。

そして思い詰めたように

「日本にはあなたのお姉さんがいる。」

初めて明かされた事実。驚くアニー。

「稔さんとの子供で、ルイといいます。岡山というところの雉間家にいます。」

そう言うと。アニーは

「お母さんは我が子を捨てて米国へ来たの?」「ダディと結婚するために捨てたの?」

事情を知らないアニーは安子を責めたてる。
安子はこみ上げる思いに涙しながら一言も言えずに電話を切った。
安子は、また我が子に扉を閉ざされた、そう感じ、この子も失ってしまうのかと不安になる。
でも電話はすぐに鳴った。

「ごめんなさい、お母さん。」

アニーだった。

「私はお母さんの事情を知らずに責めた。お母さんを傷つけるつもりはなかったのよ。日本へ行ったらきっとお姉さんを探します。
そして稔さんにもお母さんにも必ず良い知らせができるよう努力するから待っていてね。」

安子は涙し声にはならなかった。うれしかった。稔はそっと安子を抱きよせた。







こんな感じかな、ちょっと臭いかな・・・少しづつ念入りにしたい、加筆したいが、
ま、これでスッキリしたので寝る。



サニーサイドの歌詞、和訳を載せておく

On the sunny side of the street

誰とも歩かず、誰とも話さず、僕には影しかなかった。
そしてある朝、あなたが通り過ぎた。
そして、私はついに明るくなった。
今、私はその日を迎え、その日を終える。
太陽を胸に
私の心配はすべて道連れ
あなたが言い方を教えてくれた時



コートを着て、帽子を取って。
心配事は玄関に置いていけ
人生はとても甘美なものになる
晴れた日には

ピタピタと音がするでしょ
その幸せな調べは あなたの足音
人生は完全なものになる
通りの陽の当たる場所で
昔はブルーのオンパレードで日陰を歩いたけど
でも怖くない...このローバーは越えたんだ。
もし私が1セントも持っていなかったら
ロックフェラー並みの金持ちになれたのにな
足元には砂金
通りの陽の当たる場所で

(インストゥルメンタルブレイク)

昔はブルースのパレードで日陰を歩いたものだ
今は怖くない...このローバーは越えたんだ

今、もし俺が1セントも稼げなかったとしても
ロックフェラー並みの金持ちになれるんだ
足元には金粉が舞うだろう
晴れの舞台で
晴れた日に晴れた側で

(訳:DEEPL)





ロバートの実家
ロバートの職場(大学:University of Washington )
ロバートの宿舎:シアトル
稔の戦地
稔の職場
安子のアパート



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